トレイルランニングが隆盛を極めた世界線を見たいのです

【ギネス世界記録に挑戦】1日4回 “富士山”登頂 

(↑YouTubeに飛びます)

ご存知の方も多いと思うけど、先日、プロトレイルランナーの上田瑠偉選手が富士山を4往復し、そのタイムがギネス記録に認定されました。上のリンクはそのときのニュース(日テレ系)だ。

このニュースをご覧になって違和感を覚えた方はどれくらいいるだろうか。また、どこに違和感を覚えただろうか。

俺は2か所ある。1つ目は上田瑠偉選手の肩書が「プロトレイルランナー」ではなく「トレイルランナー」となっていること。上田瑠偉選手は走ることで飯を食う、紛うことなくプロだ。いったいどこに配慮したのだろう。

そして2つ目は「上田瑠偉さん」と表記され、呼ばれていること。ネットニュースでもテレビでも構わないのだけど、みなさんが普段目にしているニュースサイトor番組を思い出してほしい。サッカーでも卓球でもバスケットボールでもフィギュアスケートでもなんでもいいのだけど、そこでは現役のプロスポーツ選手のことを「さん付け」で呼ぶだろうか。

最近では世界陸上が記憶に新しいけど、興奮した織田裕二が「ボルトさん!」、「サニブラウンさん!」、「田中希実さん!」と呼んだ(あるいは叫んだ)ことがあるだろうか。いや、ない。(冗談っぽく「いや〜ボルトパイセン(先輩)、マジ、パネェっス!」と言ったことはあるかもしれないけど。いや、ない)

記事や報道においては「~選手」や「呼び捨て」で記載/呼称されることが常で、それはインターハイやインカレにおいても例外ではない(インハイ、インカレでは苗字呼び捨てorフルネーム呼び捨てが大半だと思う)。

このように日本におけるニュースサイトor番組ではプロスポーツ選手のことを 「~選手」や「呼び捨て」で記載/呼称するのに対して、ことトレイルランニングになるとメディアは個人のことを「さん付け」で呼ぶ。なぜか。

理由の1つして考えられるのが、日本においてトレイルランニングは競技ではなく、登山やレジャーの延長だと世間に認知されているからだと思う。トレイルランニングは比較的新しいスポーツだ。日本だと2000年代頃にはごく少数のレースが開催されていたけど、競技人口が増え始めたのはやっぱり鏑木さんがUTMBで入賞してからだ。せいぜい、10年ちょいしか経っていない。

日本と海外ではそもそも文化の違いや特定のスポーツが発展しきてきた歴史的背景も異なるけど、トレイルランニングにおいて、非常に盛んなヨーロッパと10年ちょいの歴史しかない日本を比較するとトレイルランナーに対するリスペクトの違いは明確にある。一度でもUTMBなどの世界規模のレースを走ったことがある日本人選手は大会の規模、沿道の声援等々、日本との違いに驚かされると聞く。そしてこういったレースでTOP10にでも入ろうものなら、それこそ五輪の凱旋パレード並みの祝福と歓声を受けるという。

さらに言えば賞金。ヨーロッパのレースでは入賞者に賞金が支払われることが多い(ユーロで支払われるのだけど、日本円で数十万とかのレースもある)。

一方、日本はどうか。国内最大規模のレースの1つであるUTMFで入賞者に贈呈されるのは木の楯(あれはあれで、結構著名な書道家の方が名前を書いているらしい)とTHE NORTH FACEで使用できる商品券だ。

・・・えっと、グザビエはアシックスの選手だったよね。ノースの商品券をもらってどうしろと??

レースを作る側にも(様々な事情があるんだろうけど)こういった意識の差があり、結果「日本においてトレイルランニングは競技ではなく、レジャーの1つ」的なニュアンスが世間で生まれメディアによって助長される。

1つ誤解をしてほしくないのだけど俺は別に日本のメディアを叩きたいわけじゃない。トレイルランニングに対する国ごとの意識、姿勢の違いは起源も文化も歴史も異なるので比較しても仕方がない。また日本においても報道する側の思想やスポンサー様のご意向によってバイアスがかかるものは仕方のないものだと理解はしている。

日本においてトレイルランニングが今後どのように発展・進化していくのか(させたいのか)は俺が、個人が考えることじゃない。とは言え、日本で少なからずこのスポーツをENJOYしているトレイルランナーの1人としては将来、トレイルランニングが登山やレジャーの延長ではなく、1つの競技として認知され、プロトレイルランナーと呼ばれる人たちが凌ぎを削る様子が日々投稿・報道される世界線を期待したいのです。



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