UTMF2019

2019.4.26~4.28
2019年最大の目標としていたUTMFを走ってきました。
過去の記事でも書いたけど俺にとって100マイルを完走することは”あらゆるフィールドで強いアスリート”になるために欠かせない目標の1つだ。

そんなUTMFは各種メディア、公式HP、SNS等で報道されている通り、27日午後3時頃(スタートから約27時間後)に降雪の影響で中止(短縮)となりました。


27日午後0時過ぎ。雨脚が強まる中、俺はA7山中湖きららに着いた。
エイドで一休みしている間にも雨は激しさを増し、今はまだそれなりに気温も高いが深夜から明け方にかけて0℃前後まで下がるという。

今回サポーターを引き受けてくれたMちゃん(会社の同期で同じ駅伝部のメンバー)が水分や食料の補給をしてくれている間も、エイドステーションのテントを雨が容赦なく打ち付ける。

(雨、まったくやまねえなあ…)

と、このレースで初めて弱気な自分が出てきた。

正直足はまだ残っている。固形物も食べられているので胃腸も問題ない。さらに、きららから河口湖までは試走もしているのでこの先のコースもなんとなく把握している。このままいけば33~34時間前後でフィニッシュ出来る自信もあった。

(この雨が雪に変わらなければ…)

試走したから分かるんだが、UTMFのレース後半に待ち受ける二重曲峠、杓子山の登りはロッククライミング並みの急こう配と、かなりエグい。そして杓子山の標高は1600m近くに及ぶ。

「このあとの杓子山で、雪が降るかもしれない」
「まじか。うーん…」

スマホで天気予報を見ていたMちゃんが、俺の心を読んだかのように不吉な一言を発する。

周りを見渡すとエイドステーションで暖をとりながら空を見上る選手、戦意を殺がれ、休憩室で毛布に包まって休む選手が多い。みんなこの雨とこの先に待ち受ける杓子山の登りに二の足を踏んでいるようだった。

そんな中、俺はMちゃんからの必死の鼓舞を受け、防寒具を着こみ、豚汁を飲み、ストーブで体を温めた後、

(ここまで来たら行くしかねえ。まだ気温が高いうちに杓子山を越えないと)

と、割と前向きな気持ちを持って出発。
きららを出発して10分。
降り続ける雨はパノラマ台付近でみぞれに変わり、果たして雪となった。
雪が降り始めて5分とせずに周りは銀世界へと変貌を遂げ、割と前向きだった気持ちのベクトルが少し小さくなる。
頭や肩に雪を積もらせながらふと、ここまで走ってきた理由を考え始める。
  1. 100マイラーになりたい。
  2. 小原さんと同じフィニッシュテープを切りたい。
  3. サポーターを申し出てくれたMちゃんにフィニッシャーベストを着せてあげることで恩返しがしたい。
と色々ある。スタート前までは1と2だったけど、この時の正直な気持ちは3だろう。彼女はA7山中湖きららでこんなことを言っていた。
「新垣がレースを辞めたいって思うのは、私のサポートが悪かったからだと思ってしまう」

違うよ!さっきの「うーん…」は別にレースを辞めたいっていう気持ちはなくて、雪が降ると嫌だなあ、という意味の「うーん…」だから!

とはいえ、自分をサポートしてくれる人にそんな風に思わせてしまってはいかんわな。
きららで俺を送り出した後、彼女はA9富士吉田に向かっているだろう。彼女が諦めないのなら、俺が諦めるわけにはいかんわな。

(日没までに杓子山を越えて、A9富士吉田で天候の回復を待つ。最後の霜山はひたすらス

イッチバックで急こう配もないし、最悪、関門ギリギリに出ても間に合う)
そんなことを頭の中でシミュレートし、スタートから約27時間、約140km地点の二十曲峠でレース短縮の一報を聞き、俺のUTMFは幕を閉じた。

所感など

1.レースの中止(短縮)について
結局、15時で中止の判断は間違っていなかったと思う。二十曲峠に至る山中では5~10cmほど雪が積もっていた。その雪は夜の時間帯になると凍る。凍った雪がある中で待ち受ける杓子山の鎖場はあまりにも危険すぎる。
鏑木さんも言っていたけどUTMFを次の世代に残していくためには、あそこで絶対に怪我人を出してはいけなかった。

2.レース中断後の選手の回収について
これはものすごく手際が良かったと思う。下山した先にはすでに8人乗りのバンが待ち構えており、とりあえず全員をきららまで運ぶという。
そしてきららから大池公園まで選手を輸送する手配も並行して進めていたらしい。運営は降雪による中断も予想していたのか…?

3.100マイラーになれなかったことについて
きららの時点で足は残っていたし胃腸も元気だったから、降雪と途中でよほどの怪我をなければそこそこのタイムでFinishは出来たと思う。
完走を最優先目標に据えていただけにこういう形でレースが終わるのは本当に悔しいし、Mちゃんにフィニッシャーベストを着せてあげられなかったことが本当に申し訳ない。
俺に27時間で完走できる力があればよかった。また来年、チャンスをもらえれば絶対に走るし、次こそフィニッシャーベストを着せてあげたい。またサポートをしてくれるかは分からんけど(既読は付いているけどLINEの返信がない(笑))

4.大会運営、ボランティアのみなさんについて
出走者が2400人と増大し、悪天候に見舞われた今回のUTMFは多方面で相当な苦労があったと思う。本当にありがとうございました。

5.ゴミ多すぎ
山中にゴミが多すぎる。意図的に捨てたとは思いたくないけど、それにしても多すぎる。そして日本人の参加者が圧倒的に多いことを鑑みると、やはり大半を日本人が捨てたんじゃないかと考えてしまう。こんなところでも日本人の国民性が垣間見れてしまった…(みんな捨てているから自分も捨てる。他人が見ていないからこっそり捨てる)。本当にUTMF開催できなくなってしまうよ?

6.メルカリで売るの早すぎ
節操がねえ。しかもリサイクルプロジェクトでもらえるノースのカップはUTMF限定じゃねーし。虚偽の商品説明で処分されねーの?



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