STY2018の記録【装備編】

2018.4.27~4.29に開催されたUltra-Trail Mt. Fuji 2018 STY(静岡から山梨)を走ってきました。
92km、4100mD+というのは距離・累積標高共に俺にとって未知なる領域で、それまでは2017.10.1に開催された新庄蒜山スーパートレイル(75km、3200mD+)が最長であった。

結論から言えば、STYは17時間35分で完走した。DogsorCaravanの記事にある通り、STYの完走率は60%を切っている。UTMF より低い。これは去年より距離が延びたにも関わらず、制限時間に変更がなかったのが影響しているのだろうか。

俺としてはSTY初参戦にして、この完走率の中で17時間台で完走できたことは良かったんだけど、実は15時間切りor男子100位以内を目標にしていたのでもろ手を挙げて喜べないでいる(などと言いつつ、ゴールテープが見えた瞬間は涙がちょちょ切れた(笑))。

15時間を達成できなかったのには様々な要因があるんだけど(俺の力不足と言えば身も蓋もないけど)、備忘と反省を踏まえ、まず本記事では装備の内容をおさらいする。


■必携品
Ultra-Trail Mt. Fujiに関わらず、日本のトレイルレースは必携品が多い!多すぎるよ!海外のレースはもっと少ないのに!これは日本の文化(事なかれ主義)を象徴しているね!
 …ということを、会社の先輩が言っていました。彼はむちゃくちゃすごい人で、彼の影響で俺はトレランを始めたと言っても過言ではない。どれくらい凄いかというと、国内の~100kmのレースだと敵なしと言われるくらいだ。

先輩の話は別の機会で語るとして、装備だ。UTMFでは以下の装備が必携品として規定されている。
  1. 詳細コースマップ。大会公式サイトに掲載されている詳細図を紙にプリントしてください。
  2. エントリーの際に番号を届け出た携帯電話。救護本部の電話番号(ナンバーカードに明記してあります)を登録し、番号非通知にせず十分に充電し、主催者からのSMSによる緊急連絡を受けられる状態にしておいてください。
  3. 携帯コップ(150cc以上)。エイドステーションに紙コップの用意はありません。
  4. 水。スタートおよび各エイドステーション、ウォーターステーションを出発するときには1ℓ以上持っていなければいけません。
  5. 食料。
  6. ライト2個、それぞれの予備電池。低温では電池の寿命が短くなります。
  7. 点滅ライト。夜間の一般公道で後方からの走行車輌に認識されやすいよう、ザックなどにつけてください。
  8. サバイバルブランケット(130cm以上×200cm以上)。
  9. ホイッスル。
  10. テーピング用テープ(80cm以上×3cm以上)。
  11. 携帯トイレ。
  12. 雨天に備えてフードつきレインジャケットとレインパンツ。どちらも〈ゴアテックス〉あるいはそれと同等の防水、透湿機能を持ち、縫い目をシームテープで防水加工してあるもの。
  13. 保温のためのフリースなどの長袖シャツ。綿素材は認められません。
  14. 保温のための足首までを覆うズボンあるいはタイツ。または膝までを覆うタイツと膝までを覆うハイソックスの組み合わせ。いずれも綿素材は認められません。
  15. 保温のための手袋、耳までを隠す帽子。
  16. ファーストエイドキット(絆創膏、消毒薬など)。
  17. 保険証(コピーは不可です)。
  18. 配布されるナンバーカード、ICチップ。
  19. 以上の必携品と下記にて紹介する「特に勧める携帯品」を収納できるザックまたはバック。
上記19品目に加えて、特に進める携行品として下記8品目が挙げられている。
  1. トレイルランニングシューズ
  2. コンパス
  3. 熊鈴
  4. 着替え
  5. 日焼け止め
  6. ワセリン
  7. 筆記用具
  8. 現金
では、1つずつ確認していく。
==================

詳細コースマップ
絶対見ないので両面コピー&100均の袋に入れてザックの奥底へしまう。実際、レース中に見ることはなかった。

一方でHPに記載されている高低表と、自分で作成した行程表を印刷し、ザックの取り出しやすいポケットにしまっていた。いまどこに居るのか、これからどれくらい登るのか、というのを確認するために有効であった。
 
携帯電話
今回、大学時代の友人のサポートを受けることが決まっていたので、色々連絡をとると思い、アクセスしやすいポケットへしまった。

携帯コップ
UltrAspireのレースカップ。ふにゃふにゃしていて自立しないタイプ。「自立した方が便利だよ」というアドバイスは事前に受けていたが、自分は自立しないタイプで特に問題なかった。アクセスしやすい胸ポケットへ丸めて収納。
上記に加えて、モンベルで買ったボトル。550mlくらい。
エイドステーションで水分作成用にメダリスト(粉)を4つ用意した。
A2~A4にはメダリスト(水)をボトルに補給可能だったが、なんとなく粉から作成した。

食料
以下を準備。
・マグオン(最近のお気に入り)
・アスリチューン(さらさらして飲みやすい)
・VESPA SPORT(ここぞ!という時に飲む。パンツのポケットに入れて携行)
・スポーツ羊羹
・セブンイレブンの羊羹(安くてハイカロリー)
・ブラックサンダー
・MAGMA(エイド毎に一本飲む)
・アミノバイタル(エイド毎に一本飲む)
・塩分補給(汗をかいたら適度に補給)
・塩熱サプリ(肩のポケットに入れて1時間に1個のペースで補給)

ジェル&固形物は100均の袋に小分けにし携行。エイド毎にザックから取り出し、アクセスしやすいポケットに移動…、という作戦にした。しかし振り返ってみると固形物が少ないなー。
ちなみにサポートの友達には以下を所望した。

・ウィダーインゼリー
・柿ピー(ピー入り)
・あったかいお茶
・アンパン
・水
・ソイジョイ
・一本満足バー
・レッドブル

エイドでは柿ピーを貪るように食べた。種だけじゃなく、ピー入りなのが良かった。
水は手を洗ったり、クールダウンとして足とかにぶっかけたりした。
レッドブルは用意してもらったけど寒かったので飲まなかった(笑)
ちなみにレースが終わってサポートの友達にこれを準備してほしかったなー、と思うものは

・折り畳み椅子(大会規定で椅子の持ち込みはNGっぽい)
・ハンドライト(サポートエリアに明かりはあったけど念のため)
・ジェル(今回、レース前にサポートの友達に会う機会がなかったのだが、レース前にエイドで受け取る食料を渡しておきたかった)
・毛布(4月の山は寒い。サポートを行う人も厚着を推奨)
・ホットコーヒー(ブラック)

ってところかな。柿ピーが非常に美味しかった。

ライト2個
PETZL NAO+とBlack Diamond ストーム、とハンドライト。
なぜかライトは3つ携行した。というのも、PETZLの予備バッテリーを持っていないのだ!
そのため、レギュレーションはBlack Diamondとハンドライトでクリアしている。実際はPETZL NAO+の一灯勝負で、電池がなくなってきたらBlack Diamondに切り替えた。

ハンドライトはレース中は使用していない。ただ、A2A4のサポートエリアが暗かったので、サポートの友達に使用してもらった。
ライトは改善の余地がありまくる。

点滅ライト
適当にホームセンターで購入。犬の首輪につけるやつとかでもよい。
時之栖で行われる前夜祭に参加すれば、先着1000名にUTMFのロゴ入り点滅ライトが貰えるみたいね。

サバイバルブランケット
好日山荘で購入。幸いにも使用しなかった。

ホイッスル
ザックに付いている。

テーピング用テープ
スポーツショップで購入。「UTMF対応」をうたっているギリギリのサイズのもの。

携帯トイレ
大小それぞれ1個ずつ持って行ったが両方とも使用せず。ついでにウエットティッシュも持って行ったが、こちらも使用せず。


雨天に備えてフードつきレインジャケットとレインパンツ
レインジャケット:THE NORTH FACE Strike Trail Hoodie
レインパンツ:THE NORTH FACE Strike Trail Pant
パンツは多少の雨じゃ使用しないのに加え、天気を見る限り使用する可能性はゼロ判断しザックの奥底にしまう。
一方のフーディは、万が一のことを考え、ザックのアクセスしやすいポケットへ収納。本来の使い方と違うが、A3くらいで冷えてきたのでウィンドシェル的な感じで一番上に羽織った。


保温のためのフリースなどの長袖シャツ
これは本当に迷った。レース当日の朝、荷物預けの直前まで迷った。
それ以前に、レースウエアも悩んだ。半袖にするか、ノースリーブにするか…などなど。
結局、最高気温(河口湖で22℃くらい)を鑑みてレースウエアは半袖+アームカバーでスタートすることにした。

またパンツはノースの短パンにした。腰回りにポケットが6つ付いていてジェルなどを入れられる。前中央のポケットに100均の袋を忍ばせておき、ジェルなどのゴミ入れにした。エイドに着いたら袋ごとポイー、だ。パンツがジェルでベタベタするのが防げたし、ゴミを仕舞う、捨てるの時間を取られることはなかった。

また下半身にはSKINSのレッグカバー(貰い物)を装備。終始、下半身はこの装備で十分だった。

話が前後するが、上半身はA3までは半袖+アームカバー。寒くなってきたのでA3でStrike Trail Hoodieを羽織る。
またA3→A4で寒さのせいか、ハンガーノックか、肘から下が痺れてきたのでA4で長袖シャツに着替え、Strike Trail Hoodieを羽織った。
レギュレーションとしてはA4で着替えた長袖シャツを持っていたんけど、実はホワイトランニングジャケットも持っていたッ…!
だって、山頂での最低気温が読めなかったんだもん…。

これは軽量かつ保温性に優れているので(というか着て走ると絶対暑い)、着る機会はないかなー、でももしかしたら着るかもなーと優柔不断をMAXに発揮した結果、持っていきました。着なかったけど。
この必携品は最大の反省だな。対策を考えよう。
あとレインウエアをウィンドシェルみたいに使ったのはどうなんだろう。服の下も思ったほど不快ではなかったけど。


保温のための足首までを覆うズボンあるいはタイツ
90%以上の確率で履くことはないと思っていたので、CW-Xのロングタイツをザックの奥底へ。ちなみに、帽子(絶対使わない)と一緒に圧縮袋へ入れた。レース後もそれなりに圧縮されていたので100均の圧縮袋は結構有能。

保温のための手袋、耳までを隠す帽子
アンダーアーマーの手袋。俺は暑くても手袋をして走ってもあまり苦にならないのでスタート時点から装着していた。
帽子は前述の通り圧縮袋へ入れてザックの奥底へー。

ファーストエイドキット
絆創膏、胃薬、花粉薬、痛み止め、コムレケア(これに助けられた…)などをまとめて袋に入れる。ついでに足首貼ったりを1枚、小さく畳んで袋に入れた。幸い、コムレケアを除いて使用することはなかった。

コムレケアはA2で飲んだ。というのも30km地点で早くも太もも&ふくらはぎが痙攣したのだ。これからレース前半の山場、天子山脈を超えるというのに、まったく足が動かない。その場に15分以上留まり、屈伸&ストレッチをし「行けるかな?」と思い登り始めるも、やはり筋肉が痙攣する。「これは…この状態であと60kmを走るとか不可能だろ…。A2でリタイアか…」という考えと、途中でレースを投げ出す正当な理由を頭の中で考え始めた。

いやー、人間、精神的に追い詰められるとダメな思考回路になってくるね!ちなみに天子を超えている時点ではコムレケアのことは全く頭になかった。わらう。

予定より2時間押しでA2に到着。28kmぶりのエイドだ。ここでは友達のサポートを受け、少しづつ回復。それでも足は万全ではない。元気に「行ってくる!」と言ったものの足は動かず。エイドのコーヒーを飲んでいるとコムレケアをザックに入れていたことを思い出し、早速摂取。ついでにマグオンを入れる。思えば、コムレケアとマグオンを入れるタイミングが遅かったなー。A1くらいからマグオンを摂取しとけばよかったわ。

保険証
小さい財布に1000円札と一緒に入れた。コース上のコンビニや自販機を使うことは許可されていたが現金を使うことはなかった。

配布されるナンバーカード、ICチップ
ナンバーカードはビブベルトに装着。

トレランザック
ルーファス12を使用した。
ルーファス8も持っているんだが、必携品を入れたところパンパンになり、補給食が入りきらなかったので12リットルモデルを採用した。数字の上では1.5倍容量があるが、数字以上に広さを感じた…。12リットル、大きい。。ただし、ルーファスは重いのが難点。12リットルモデルだと510gもある。
結局、必携品を詰めたところ、水(ボトルの重さを加えて1.1~1.2kgくらい)無しで3.4kgほどあった。重い。水込みで3.0kgを切りたかったが無理だった。てか海外の選手って荷物少なすぎじゃね?本当にあれで全部入ってんのかよ…。


その他の装備品 

トレイルランニングシューズ
SALOMON S/LAB SENSE ULTRA
非常に履きやすい。デザインもカラーもGOOD。

靴下
イトイテックス。
ずいぶん前からお気に入り。ただし生地が薄いせいか、標高が高くなると足先が冷える。

ガーニーグー
を足、胸などに事前に刷り込んだ。
走っている途中で足裏に違和感があり、「まさか皮がむけた?」と冷や冷やしたので、携行した方がいいかも。チューブごと持ったら重いから、小分けにして。

キャップ
Buffが絶望的に似合わないのでキャップを着用。何か被らないと汗が目に入るからね。

カラビナ
カラビナ3個。携行していると何かと便利。

WristableGPS MZ-500MS/Y
パンチの効いているイエローを愛用している(鏑木さんモデル)。機能は使いこなせていない。距離表示と現在の標高は、寸分違わず正確であった。

アームカバー
日焼け止め&防寒対策。嫁が車を運転するときに使っていたものをもらった。圧着などの機能は皆無と思われる。てのひらまでを覆うタイプが好き。

リップクリーム
乾燥しやすいので。


装備品の反省点&次回への反映
反省点はいくつかあるが、主なものを以下に。
総重量を軽くしたい。
携行するライトを見直す。
保温のパンツは使用しないならもっと薄くて軽いものを携行する。
消費カロリーと摂取カロリーを計算し、食料を最適化する。サポートについていただけるなら食料は事前に預ける。

携行品は実際に持って走ってみないと分からないとだらけですねー。
本番で使用する装備を携行して、それなりの距離を走ることが大事ですね。

コメント

人気の投稿