ONTAKE100 ~栄光のFinishへ~


ST→CP1(34km地点)

スタートして4kmほどはロードが続く。
そのロード区間を早い人は4'00/km以上のペースでかっ飛ばす。明らかに100kmレースのペースじゃないけど、これが”全コース走れる林道”という特殊性なのか。

スタート前、伊藤さんは「序盤は50位くらいで様子を見て、徐々にペースを上げていきます」といっていたけど結構飛ばす(俺目線)。
2kmくらいまでは伊藤さんと並走していたけど、そもそも地力が違いすぎるってのもあり、このまま伊藤さんと並走していたら速攻でへばってしまうので徐々にペースを落とす。といってもロード区間は4'20"~30/kmのペースで巡行していたと思う。

そしてコースは林道へ。確かにずっと走っていられる傾斜だけど無理はしない。序盤も序盤なのでパワーに任せて登ることはせず、一定のペースをキープする。
登って下ってを少し繰り返すと最初のエイドが見えてきた。

ここでは水分だけ補給し、すぐに出発。滞在時間は1分にも満たない。
まだまだ元気なので足を動かして先へ進むことを優先する。

CP1(34km地点、第一関門)まではまだしばらく登りが続くんだけどここも無理はせず、一定のペースで走り続ける。スタートから歩くことなくCP1に到着。調子は悪くない。

ST→CP1 3:45:56(区間順位86位)


CP1→CP2(67km地点)

変わり映えのない林道がひたすら続く。
少しでも有益な情報は…下りは結構ガレている。なので足への負担を考えたらソールがそれなりに厚いシューズがおすすめかもしれない(これについては後述する)。例えばHOKAとか、HOKAとかね。

CP2に向かう途中で日の出を迎えるんだけど、夜の間はヘッデン1本で十分だったかな。俺くらいの順位だとまだ周りに人がいるので割と明るい。それでも下りのガレで攻めるならヘッドライトで数m先を照らして、ハンドライトで足元を照らす。これくらいの装備が必要だと思う。

ちなみに俺は下り屋(ヘッデン+右手にハンドライト装備)の右後ろにピッタリつけて、彼のハンドライトの明かりを享受していました(笑)これも作戦のうち(笑)

ここまで順調に走ってきたけど40kmを過ぎた辺りでアクシデントが発生。
足の裏がチリチリと痛む。これは、きっと左足の裏に水膨れが出来ている。。左足を接地するたびに痛い。
足をドライに保ってくれるitoixを履いているといっても、この大雨である。そう、雨はずっと降っているからね。しかも結構強くて4~5mm/hくらいは降っていた(2mm/hで学校の運動会が中止になるレベル)。
そんな状態で4時間以上走っているんだからしゃーない。

とはいえこの状態でこのまま走り続けるのも難儀なので、その辺の岩に座って足の具合を確認する。

・・・靴下破れとるやんけ。

左足裏、親指の肉球(?)あたりの靴下が破れて、そこの皮膚がブヨブヨの水膨れ状態。
参ったなあ、と思いながら水膨れを潰しマキロン&ワセリンを塗りたくる。

(替えの靴下はドロップバッグに入っているんだよな…)

痛恨のミスである。
なぜ俺はザックに替えの靴下を入れていなかったのか!

とにもかくも、このままでは走ることもままならないので傷口にキズパワーパット(特大サイズ)を貼り、剥がれないようにテーピングで固定する。
ひとまず応急処置はこんなもんだろう。

足の裏に違和感が残るものの、処置前と比べて随分楽になった。この状態で替えの靴下が待っているCP2まで残り20km(結構ある(白目を剥きながら))。

インスタ映えもしない林道を走り続けること20Km。CP2に到着。
ドロップバッグを受け取り、見たくないけど左足の状態を確認する。
…oh。
このエイドには救護があったので時間がもったいないけどちゃんとした治療を受けることにする。まだレースは3分の1くらい残っているからね。
椅子に座って救護を受けている間にドロップバッグに仕込んでいたパンをレッドブルで流し込む。
レッドブルを近くのテーブルに置いてシャツとインナーを着替えて、さあもう一度レッドブル…と思いきやレッドブルが消えている(!?)

え!?俺のレッドブルは!?まだ半分以上残っているのに!?

周りを見渡すと5mほど先を歩いている男の右手にレッドブルが(!)
おいちょっと待て!あなたが持っているレッドブルは、ひょっとして俺の飲みかけのレッドブルでは!?

問い詰めようかと思ったけど俺は治療中の身で動けない&彼があまりにもフランクに、そしてナチュラルにレッドブルを飲んでいるもんだから俺も「そうか、きっとあのレッドブルは彼のものだったんだ」と納得したのでした。

ついでにシューズをS/LAB Wing8に履き替える。
ULTRA PROのままでもよかったんだが、濡れたシューズを履いて足がもう一度水膨れになるのが怖かった。ちなみにこの選択が誤りであったことにすぐに気づく。

ついでにお腹の調整が悪かったのでトイレに籠り、再出発。CP2には30分くらい滞在していた。自分、まったりしすぎだろ。

CP1→CP2 4:40:08(区間順位206位 (おいおい…))


CP2→CP3(79km地点) 

コースについて特筆すべきことはなにもなく、ダラダラと林道が続く。
むちゃくちゃ暇なので、そういう時は誰かと話をするに限る。同じようなペースで走り、同じようなタイミングで歩く人を見つけて話をする。
話題は大抵決まっていて
  • どこから来たんですか?
  • ONTAKEは何回目ですか?
  • 他にどんなレース出ていますか?(同じレースに出ていれば話が広がる)
まあこんなもんよ。
雑談をすることで気が紛れて、1人だったら絶対歩いているような登りもゆっくりだけど走ることが出来る。レース中に会話をするというのはマラソンにはない文化だよね。

ところがこの辺りからお腹を下しはじめ、74km地点のエイドステーションでトイレに籠ることに…。一度すっきりするもまたもやお腹がグルグル。そしてトイレへ。

このエイドではそうめんがあったのかな?あとはスイカとオレンジがあった気がする。
ちなみにこの74km地点のエイドまでは3連続で水しかなかった気がする
これがOSJクオリティ。

74km地点のエイドからCP3まではロードの登りだった気がする。
頑張れば走る傾斜なんだけどもはや走る気にならず。腹痛と戦っていた。

CP2→CP3 1:47:50(区間順位217位 (なんも言えねえ…))


CP3~フィニッシュ

残りは20kmちょい。
ガツンと登ってガッツーン!と下るんだけど、この下りは難易度が高かった。
CP2のあとの下りもそうなんだけど、シューズを変えたのが裏目に出た。いや、正しくは変えたシューズがガレ向きではなかったのがダメダメだった。ガレ向けではないのでそこまでアウトソールが厚くないガレの衝撃がもろに足に響く(;^ω^)

得意な下りで走れずにどんどん抜かれていく。めっちゃスタイルのいいお姉ちゃん(男とペアで走っていたけど)にも抜かされる始末。もう早く帰ってビール飲みたい。

時折壁から染み出る天然水を頭に被りながらひらすらガレを下る。ちなみにお腹も下っている。

そんなこんなで林道は終わり、ロードへ出る。
と、ここで俺たちの目にONTAKEのコース看板が飛び込んでくる。

「ONTAKE100 100km地点 残り4km!」

おいおい~!と周りのランナーからブーイングが聞こえる。
彼らの話を聞いていると「ONTAKE100(km)なのに、なんで100km地点でゴールじゃないんだよおお!」というもの。

なるほど。彼らの言い分は分からんでもないんだが、ONTAKEに限らずトレイルのレースでぴったり100kmに合わせるのって難しくないか?
それに100mileレースにおいては1mileが小数点第3位くらいまで何kmか把握している人なんていないだろう。
UTMFだって毎回コース変わってるし、もっと広い心を持とうよ。まあONTAKEで14時間切りたい人にとってはその4kmが死活問題なんだろうけど。


「こまけえことはいいんだよ」

特にOSJにおいてはそんな精神で臨むことが大事だと思う。

ちなみにこの看板を見た時点で13時間18分くらい。
残り4kmなら歩いても14時間切れるじゃん。

安堵感が押し寄せ周りのランナーと談笑しながらゴールへ向かう。

フィニッシュエリアには、送迎してくれた友人と2人の子供の姿が!
3人とハイタッチをして無事にゴール!

CP3→Finish 3:412:50(区間順位303位 (( ^ω^)・・・))
CP1以降、ガッタガタなのによく総合150位台でゴールできたな。

ちなみに伊藤さんは総合6位!(年代別1位)
おめでとうございます!
宣言通り徐々にペースを上げていきCP3→Finishの記録は総合1位。恐れ入ります。その走り方を学ばせていただきたい。

フィニッシュ後は温泉に入り、松本まで車で送ってもらい、名古屋から応援に来てくれた友達(フィニッシュには間に合わなかった)と一緒に焼肉を食べてタンパク質の補給。胃がアレだったので俺は卵スープばかり啜っていましたけどね…。

2人とも大学の同期。もう16年来の仲。

総括
いろいろあったONTAKE100だけど、本文中に書ききれなかった細かいことなどを箇条書きで書いてく。

  • 車必須。アクセスが悪い&周囲にコンビニがないので可能な限り車で行きましょう。
  • 駐車場は埋まることはないので何時に行っても問題はない。ただしスタート地点に一番近い駐車場エリアに置きたいなら、日が高いうちに会場入りしましょう。
  • 今年は雨天で気温も低かったけど、例年は灼熱らしいので装備や水分に注意。俺は体験しなかったけど、ボリュームゾーンだとエイドに水がない、ときう最悪の状態もあるとかないとか…。天候に合わせて予備で500mlくらいのボトルを携行したいところ。
  • エイドの食料は簡素。これは覚悟すべき。さらに序盤~中盤(CP2)にかけては水しか置いていない。なのでスタート時にしっかりと補給食を持ち、CP2までに全て使い切る。そしてドロップバッグで後半分を補充するという感じになると思う。
  • エイドの食料は塩、バナナ、そうめん、梅干し、スイカ、オレンジ。くらいかな。スポーツドリンクはなく真水のみ。
  • 下りはガレているので転倒に注意。全コース通して、クッション性の高いシューズがおすすめ。
  • 全コース通してロードも林道も結構幅があるので渋滞にはならない。
  • ダラダラと続く登り坂は全て走ることが難しいのであれば「30秒走って15秒歩く」というのを繰り返せばいいです。全て歩いてしまうと走る気をなくすけど、脳を騙しながら走りましょう。
  • CP2に簡易の椅子が数脚あるけど早いもの勝ち。大半は大きいレジャーシートに地べたに座ることになる。70km走ってきて地べたに座るのは辛い…。
  • 95%林道。5%ロード。精神修行であることは間違いない。
  • 足のトラブルに加え、胃腸のトラブル。寒さ対策がいまいちだったのか。改善の余地はありまくる。
  • 「もうONTAKEなんて二度と出るかー!」と各SNSで叫んでいる彼らの言葉を真に受けてはいけない。午前0時スタート、1000人のランナーと夜通し走る、こんな非日常は他では味わうことはできない。1週間も経てば「俺(私)、ONTAKE好きかも。来年も走りたい!14時間切りたい!」とツイート&直立した画像と共にインスタに上げています(笑)
  • 100mileは真の強者のためのレース。俺はまだ出ないかなあ。100kmで12時間台で走る方が先。
  • ONTAKE100は景色が変わり映えしないし、絶景もあるわけでもない。エイドで地元の特産品も味わうことはできないし、最低限の補給しかできない。なので「自分の走力を確かめるためのレース」くらいでエントリーしたらいいと思う。
  • 無茶苦茶つらかったけど、友達の子供(小2)に100km走った男の背中を見せることが出来てよかった。好奇心旺盛な性格らしいので15年後、少年がONTAKEに出場していたら面白いよね。1人の大人として、少年の人生に何か影響を与えられたら嬉しい。
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